歯科コラム

  1. (医)令和会 森歯科
  2. 歯科コラム
  3. 銀歯の下で虫歯が再発するって本当?銀歯を使わない治療方法について

銀歯の下で虫歯が再発するって本当?銀歯を使わない治療方法について

虫歯の治療でいわゆる「銀歯」と言われる金属を使用した詰め物やかぶせ物。実は虫歯の再発(二次カリエス)などのリスクも少なくないことがわかってきています。今回は銀歯のメリット・デメリットと、銀歯以外の治療法にはどんなものがあるかご紹介します。


銀歯のメリットとデメリット

詰め物やかぶせ物に使う銀歯にはメリットとデメリットがあります。

銀歯のメリット

●保険適用で安価
銀歯は保険診療が適用されます。そのためセラミックなどの材料を使う自由診療と比較して安価に歯を入れることができます。詰め物であれば2,500円~3,000円、被せ物なら3,500円~4,000円程度です。

●金属の高い耐久性
銀歯は、金属なのでセラミック等よりも高い耐久性を持っています。強く噛んでしまっても割れることはありません。噛む力が強く負荷がかかりやすい部位の治療に向いています。

銀歯のデメリット

●虫歯再発(二次カリエス)のリスクがある
銀歯の詰め物は、時間が経つと劣化してすり減っていきます。金属なので噛む力によってたわんだり、熱によって膨張収縮することもあります。それらの結果、銀歯と歯の間に隙間が生じて虫歯菌が入り込み、銀歯の下が虫歯になってしまいます。

●金属が溶け出し歯茎が黒ずむことがある
銀歯の金属は、唾液によって金属イオンが溶け出し、歯の根元の歯茎を黒く変色させることがあります。

●金属アレルギーの可能性も
唾液により溶け出した金属イオンが、体内に取り込まれることでアレルギー反応が生じることがあります(歯科金属アレルギー)。口内炎や舌炎などの口腔内の症状だけではなく、血液の循環で全身に回るため全身にも発疹などの症状が現れることもあります。

●表面が傷つきやすく汚れがつきやすい
銀歯の金属は、細かな傷がつきやすいという特徴があります。長期間使用しているとたくさんできた細かい傷に食べ物カスや歯垢がたまり、虫歯や口臭の原因となります。

無料相談はこちらから

銀歯を使わない治療法は?

銀歯を使用することによるリスクが見直され、金属以外の材料を使った虫歯治療を行うケースも増えてきています。セラミックやプラスチックを使う治療は、金属を使用することによるリスクを回避できるうえ、歯を白く見せて審美性の面でも優れています。

●セラミック素材を使う
強度に優れ、経年劣化もほとんどないセラミックは、咬合によるたわみや熱による膨張収縮も少なく、歯との間の隙間が生じにくいため二次カリエスになるリスクを軽減できます。変色も少なく、金属ではないので歯茎の黒ずみや金属アレルギーの不安もありません。また表面が硬く傷がつきにくいセラミックは汚れが付着しにくいという特徴もあり、長期間きれいな状態を保つことができます。
しかし、セラミックは天然歯よりも硬いため、咬み合わせの歯に負担がかかることがあります。強く噛みしめるクセや歯ぎしりがある方は、強い力がかかり過ぎて歯が欠けたり割れたりする可能性があります。

●コンポジットレジン(プラスチック)
白い歯と言うと自由診療のイメージがあるかもしれませんが、コンポジットレジン充填というプラスチック素材を使う保険適用の治療があります。虫歯を削って作った穴に、ペースト状のプラスチックを流し込んで、特殊な光をあてて固める治療法です。保険適用なので安価であり、短時間の施術で終わるので患者様の負担も少ないのが特徴です。
一方でレジンは強度がなく、長年使っているとすり減ったり、欠けたりするリスクが高まります。変色しやすく4~5年経過すると黄ばんできてしまう点もデメリットとしてあげられます。

●硬質レジン前装冠
金属の表面にプラスチックのレジンを盛り付けて白くしている被せ物です。前歯(前から3番目の歯まで)に保険適用ができるので、保険適用内で前歯を目立つ銀歯にしたくない、という場合によく使われています。内側は金属なので耐久性はありますが、歯茎の黒ずみや金属アレルギーが起こる可能性は残ります。

●CAD/CAM冠(キャドキャムかん)
白いかぶせ物ですが、近年保険適用となったのがCAD/CAM冠です。3Dカメラで治療箇所をスキャンし、コンピューターを利用してかぶせ物を制作します。保険適用になり比較的安価で、治療期間も短く、金属ではないので歯茎の黒ずみや金属アレルギーの心配もありません。

しかし、保険適用できる歯が前の位置や周りの歯の状態などに条件があること、使用する材料(セラミックとプラスチックを混ぜ合わせたもの)は強度が弱く、強く噛みしめるクセや歯ぎしりがある方は、かぶせ物が外れたり割れたりしやすくなる点はデメリットと言えます。

※患者様のお口の状態によってお勧めできない場合があります。ご希望の際には、歯科医師と相談の上、治療方法を選択されることをお勧めいたします。

まとめ

もし以前から銀歯を入れているところに痛みがあったり、冷たいものがしみる感じがあったら虫歯再発の可能性があります。歯科医院では、今ある銀歯を取り外して詰め物・被せ物のやり替えをすることも可能です。
歯科医院で、気軽に定期的なチェックとお口のケアを受けましょう。また、長い目でお口の健康や費用を考えた時に、銀歯以外の選択肢についても検討したい、という方はいつでもご質問・ご相談ください。


エントリーリスト

カテゴリーリスト