前歯の隙間(すきっ歯)は、なぜできるの?どうしたら治るの?

前歯に隙間、いわゆるすきっ歯、目立ちますよね。「そういえば、うちの子の前歯、最近抜けたけど、その後うまく収まるのかなぁ」と、子供の歯並びを気にされているお母さんも多いはずです。
前歯の隙間(すきっ歯)のせいで、笑うのをためらうお子さんもいると聞きます。
ここでは「すきっ歯」の原因と改善策をご紹介いたします。
1、前歯の隙間(すきっ歯)の原因って何?
・顎(あご)と歯の大きさのバランスによるもの
・普段の習慣がすきっ歯の原因となることも
2、すきっ歯なんて気にしない方、こんな悪影響がありますよ
3、すきっ歯を歯科医院で改善できる3つの方法
4、まとめ すきっ歯を放置しないでくださいね
前歯の隙間(すきっ歯)の原因って何?
すきっ歯の原因は、大きく分けて、2つあります。
日ごろから気を付ければ、予防ができる原因もあります。
顎(あご)と歯の大きさのバランスによるもの
「お母さん!歯がぐらぐらしてる!」お子さんの嬉しそうで、不安そうな相談を受けるお母さんは、多いと思います。子供の成長を感じる、とてもうれしい瞬間ですよね。
最近では、抜けた歯を取っておく親御様も増えてきたと聞きます。昔は、屋根とか床下に、よく投げましたね。
この抜けた歯(乳歯)と、生えてきた歯(永久歯)を比べてみましょう。大きさが、明らかに異なります。また、乳歯と永久歯では、生えてくる本数も異なります。
原則として、乳歯は、20本、永久歯は、28本です。
永久歯が、小さい場合・生えてこない場合・歯の形が悪い場合、これらの場合、歯間にスペースがあいて「すきっ歯」になります。
生えてこない歯があるときくと、なんだか、びっくりしますよね。生えてこない歯は、歯肉(しにく)に埋まったままになることがあります。それがすきっ歯の原因です。でも、そこまで珍しいことではありません。1割くらいの人が、生えてこない歯を持っていると言われています。
顎(あご)の大きさと乳歯・永久歯の大きさにより、「すきっ歯」になるかどうかが、決まります。
顎(あご)の大きさは、「 すきっ歯 」に関係が、あるんです。
普段の習慣がすきっ歯の原因となることも
一方、生来のものとは関係がない、生活習慣から「すきっ歯」になってしまう人もいます。すきっ歯が、生活習慣からきているなんて、驚いてしまいますね。
●頻繁にほおづえをつく癖
「学校の授業がつまらないから、ずっと、ほおづえをついていた」そもそも、態度がよくありませんが、これが原因のひとつと言われています。
また、ほおづえは、顎関節症の原因のひとつともいわれています。顎のバランスが崩れることになるため、すきっ歯や乱れた歯並びの原因になり得ます。
●寝るときの姿勢
寝るときの姿勢は、歯並びと関係があります。仰向けで寝るように心がけましょう。うつ伏せや横向きで寝る習慣は、歯ならびや顎(あご)のゆがみにつながると言われています。
●舌を前に押し出す癖
食事の際、舌を前歯の裏に押し付けて飲み込む癖のある方は、前歯が徐々に開いてしまいます。
●指しゃぶりくせや舌の動きのくせ
指を吸う子供は、無意識に、歯を内側から押してしまうことがあります。その結果、歯が外にひろがり、すきっ歯の原因のひとつになります。また、歯に強く押しつけるクセのある人は、前歯にすきまがあいてしまうこともあります。
すきっ歯なんて気にしない方、こんな悪影響がありますよ
日本は、古来より、すきっ歯=お金がたまらないとの迷信がありました。
「そんなの迷信だよ。すきっ歯なんて、気にしないよ。どうせ、見栄えだけの問題でしょ」って方もいるのかもしれません。でも、こんなデメリットもあります。
●すきっ歯は、虫歯や歯周病のリスクが高まることがあります
すきっ歯の隙間には、食べ物が挟まりやすいと言えます。食べ物がはさまれば、細菌が繁殖し、虫歯や歯周病のリスクが高まることになります。「奥歯と異なり、前歯であれば、気が付くよ。食べ物なんて、挟まらないよ」、とおっしゃられる方もいるかもしれませんが、磨き残しがあるのが現状です。
●発音が聞き取りにくいことがあります
歯は、発声時息をためて、発音を助ける働きがあります。そのため、すきっ歯があれば空気が漏れて、特にサ行の音を出すときにうまく発音をすることができないことがあります。
日本人の苗字は、鈴木や佐藤等、サ行の音から始まる名前が、一番多いです。「〇〇さん!」と名前を呼ぶそのたびに、よくわからないとなってしまうと、話し相手にも嫌な印象を与えてしまいますね。
すきっ歯を歯科医院で改善できる3つの方法
前歯の隙間=すきっ歯を治療といえば、「矯正(きょうせい)でしょ。知ってますよ、時間もかかるし、高いでしょ」と思う方もいるかもしれません。
でも、最近では、様々な治療手段があります。ここでは、そんな改善方法を簡単にご紹介いたします。
●ダイレクトボンディングって治療方法を知っていますか?
ダイレクトボンディングとは、白色の樹脂(コンポジットレジン)という材料を詰め、治療する方法です。 その後、光線をあて、樹脂を硬化させます。歯を削る必要もありません。即日に完了することができます。前歯のすき間、すきっ歯は、この方法によって見栄えをだいぶかえることが可能となります。
●ラミネートベニアって治療方法を知っていますか?
ラミネートベニアとは、歯の表面を0.3mm程度削り、歯の色をした薄い板(ラミネートべニア)を貼り付ける方法です。従来の被せ物治療では、大きく歯を削る必要がりましたが、この方法では、とても薄く歯を削ればよいため、その後の処置も容易で、歯の内部の神経にも影響をあたえません。
●矯正治療もあります
最後にご紹介する方法は、矯正(きょうせい)治療となります。この方法は、知らない人は、いないのかもしれませんね。
簡単に言えば、矯正(きょうせい)は、「歯を動かす」ということです。動かしたい歯は、矯正装置で適度な力を加えると、ゆっくりと動かすことができます。でも、実は、この治療は、無理に歯を動かしているわけではなく、歯が自然に生えてくるときに起こる変化と同じやり方なんです。歯科医師は、動かす方向をよく検討し、自然の場所に納める治療を行っています。
矯正治療は、上記2つに比べれば、時間も費用もかかります。
まとめ すきっ歯を放置しないでくださいね
今回は、すきっ歯について、ご紹介してきました。前歯の隙間のせいで、見た目が気になり口をあけて笑うことにためらいがある、そんな悩みを抱えて来院される方も多くなりました。
前歯の隙間=すきっ歯は、見た目の悪さのみならず、発音の聞き取りにくさや食べものの消化にも影響することがあります。気になる方は、お気軽に、歯科医院の受診をお勧めいたします。