歯科コラム

  1. (医)令和会 森歯科
  2. 歯科コラム
  3. 乳歯に虫歯が?子供の虫歯がもたらすリスクとその予防法について

乳歯に虫歯が?子供の虫歯がもたらすリスクとその予防法について

口を開けている乳児

お子様の乳歯に虫歯を見つけた時、「乳歯はそのうち抜けるから・・・」と放置したりしてはいけません。乳歯を虫歯で失ったり、放置していると歯だけではなくお子様の健康や発育に悪い影響を与える可能性があります。今回は乳歯にできる虫歯の原因、予防法について解説します。


お子様の乳歯が虫歯になる原因

●親から子供への口移し
赤ちゃんは無菌状態で生まれてきます。生まれながらに口の中に虫歯菌が存在しているわけではありません。虫歯菌は、親が使ったスプーンやお箸、コップなどでお子様に食事を与えたその瞬間、親の口の中の虫歯菌が移り住んでしまうのです。

●乳歯は永久歯より虫歯になりやすい
乳歯は永久歯に比べるとやわらかく、歯の表面を覆うエナメル質の厚さも2分の1ほどしかありません。そのため虫歯菌が酸を出して歯を溶かし始めると一気に進行します。早ければ2~3ヶ月で神経に達することもあります。また歯の表面の溝が細かいため、汚れが溜まりやすいことも虫歯の進行を早める原因です。

虫歯・抜けたは、一大事。乳歯の大切な役割

●食べ物を噛んで、身体に取り込みやすくする
子供は、乳歯があることで前歯を使って食べ物を噛み切り、奥歯で食べ物をすり潰す働きを覚えていきます。虫歯になったり、歯を失うと、痛いので片方の歯だけで噛むクセがついたり、おかしな飲み込み方を覚えてしまいます。食べ物も十分にすり潰せず消化不良を招く恐れもあります。

●顎や顔面の発達に関わる
乳歯でしっかり噛んで食べ物を食べることで、顎や顔面がしっかり発達していきます。
虫歯がひどくなったり、歯を失ったりすると咀嚼機能が低下し、顎や顔面が十分発達できず、歯並びの悪化をはじめ様々な身体の不調を招くと言われています。

●永久歯の生えてくるスペースを確保している
乳歯には永久歯が生えてくるためのスペースを確保する役割があります。乳歯を虫歯で失ってしまうと、周辺の歯が空いたスペースに傾いてきて、スペースが狭くなってしまいます。下から生えてくる永久歯は、十分な隙間がないためにまっすぐ生えられなくなって、歯並びが悪くなります。

●舌の位置を覚え、正しい発音を助ける
例えば前歯がないと「さしすせそ」の発音は難しくなります。乳歯が生えることで、舌の位置が決まって正しい発音ができるようになります。

無料相談はこちらから

乳歯を虫歯から守るには?

ご両親の口腔ケア

お子様を虫歯にしないためには、まずご両親からの感染予防が重要です。ご両親がセルフケアや歯科院での定期健診で口腔内を清潔に保ち、虫歯があれば治療をしておきましょう。そして食事の時は食器類を使い分け、共有しないように気を付けてください。

砂糖の多いものは減らす。だらだら食べも要注意

子供が喜ぶお菓子やジュースなどの砂糖の多いものは虫歯のリスクを高めます。お茶や砂糖の少ないお菓子を選ぶ習慣をつけましょう。飴やキャラメルなどの歯につくものはさらに虫歯のリスクを高めるので注意が必要です。
またご両親が忙しいから、と言っていつもお菓子を与えていると、お子様は常にお菓子を口に入れている「だらだら食べ」になります。糖分が長時間口の中に残っている状態になり、虫歯になりやすくなります。おやつの時間はしっかり決めて、特に寝る前には砂糖の多いものは取らないように気をつけましょう。

歯みがきとうがいをしっかりと

食事のあとはしっかりと歯みがきとうがいをしましょう。お子様一人だけではきれいに磨くことは難しいので、10歳くらいまでは必ずご両親が仕上げ磨きをしてあげてください。うがいも「たっぷり口に水を含んで洗い流すように」と伝えて、一緒にしてあげてください。

フッ素を使う

フッ素は歯垢の中の細菌の働きを抑える効果がある他、歯の表面の再石灰化を促進する効果があります。乳歯が生えてきたら歯科医院で検診を受けて、処置してもらうのも良いでしょう。フッ素入りの歯磨き粉を選んで使うことも一つの手です。

市販のフッ素入りの歯みがき粉と歯科医院のフッ素の違いは「フッ素濃度」にあります。歯科医院では高濃度かつ安全な範囲でフッ素塗布を行っていますので、ご希望の際はお気軽にご相談ください。

歯科医院でしっかりチェック。定期健診のすすめ

乳歯は、虫歯の進行が早いので、早期発見が重要です。ご両親がどんなに気を付けていても乳歯の虫歯は白っぽい色をしているので見つけられないこともあります。虫歯ができてから、ではなく虫歯がない時から歯医者さんで定期健診を受診することをおすすめします。
虫歯がひどくなってからではお子様はつらいばかりか、治療も長引いて歯医者嫌いになってしまいかねません。

まとめ

乳歯はその後に生え変わる永久歯や、身体全体の発育にも大きな影響を与え、放置すると必ずお子様の将来の健康に暗い影を残します。
子供の虫歯がもたらすリスクを正しく理解して、虫歯にならないため、ご両親のサポートのもとでご家庭でのセルフケアをすすめることがとても重要です。
歯科医院ではお子様の定期健診を実施しており、虫歯にならないために適切な診断と処置をするだけでなく、歯科衛生士による正しい歯みがきの仕方も指導しています。お子様の健康を守るために、一度受診してみてください。


エントリーリスト

カテゴリーリスト