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歯ぎしりの原因と4つのリスク!あなたは歯ぎしりの自覚ありますか?

マウスピースのはまった歯の模型

「夜寝ている時に歯ぎしりしていたよ」とご家族や友人に指摘されたり、逆に同室で寝ている人の歯ぎしりが気になって眠れなかった、という経験はありませんか?放置していると身体全体の不調の原因になるとも言われている歯ぎしりの対処法について紹介します。

歯ぎしり(ブラキシズム)の自覚はありますか?

歯ぎしりは「ブラキシズム(口腔内悪習慣)」と言います。歯ぎしりは、ほとんどが睡眠中に起こるので自覚するのが難しく、ご家族や友人に指摘されて気づくことがほとんどです。

睡眠中の歯ぎしりは珍しくない。
睡眠中に歯ぎしりをしている人の割合は5~15%と言われています。健康な人でも多少は歯を噛みあわせており、疲労やストレスが溜まっている時には一晩に一回くらいは歯ぎしりをしているので決して珍しいものではありません。ただ一定以上の強さや回数、時間を超えている場合は、身体に悪い影響が出ることがあるので注意が必要です。

実は歯ぎしりしているかも?
自分は大丈夫、と言う人も普段一人で就寝しているのであれば、気づいていないだけかもしれません。次の項目に当てはまる方は歯ぎしりをしている可能性があります。

  • 朝起きたときに奥歯や顎、こめかみが痛い。顎が疲れた感じがする。
  • 慢性的な頭痛や肩こりがある
  • 歯が欠けたり、割れたりしたことがある
  • 食事の時に口を開けにくい感じがする

歯ぎしりには3つの種類があります。
無意識のうちに歯がカチカチ、ギシギシと音を立てる歯ぎしりですが、実は3つの種類があります。

1.    グラインディング
上下の歯を擦り合わせてギリギリ、ギシギシと音を立てるタイプの歯ぎしり。歯ぎしりをしている人の多くがこの種類に該当します。

2.    クレンチング
上下の歯をグッと強く噛みしめる歯ぎしりです。大きなストレスを感じたり緊張状態にある時に無意識に強く歯を噛みしめてしまうのです。他の歯ぎしりと違い、音が出ないので気づきにくいです。クレンチングは起きている間でも出る症状です。

3.    タッピング
上下の歯をカスタネットのように噛み合わせてカチカチ音を立ててしまう歯ぎしりです。小刻みにリズミカルに音を立てるのが特徴。

歯ぎしりが起こるメカニズムは?

歯ぎしりが起こるメカニズムはいまだ完全には解明されていませんが、現在では次のような理由があるのではないかと考えられています。

ストレス
歯ぎしりの最も大きな要因はストレスだと現在考えられています。人はストレスを感じると膝を揺らしたり、腕や足を擦ったりと仕草や動作に現れます。歯ぎしりもストレスによる仕草や動作のひとつであり、歯ぎしりによってストレスを発散しているのではと考えられています。

飲酒と喫煙
飲酒や喫煙をすると睡眠の質を下げ、レム睡眠(浅い眠り)が長く続く状態になることが分かっています。歯ぎしりは、ノンレム睡眠(深い眠り)からレム睡眠(浅い眠り)に移り変わる時に起こりやすいため、普段から飲酒や喫煙をしている人は歯ぎしりが悪化しやすいと考えられています。

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歯ぎしりが原因で起こる4つのリスク

歯ぎしりは放置していると、身体に悪い影響を引き起こします。そのうち主なものは次の4つです。

顎関節症(がくかんせつしょう)になる
顎関節症は、顎に痛みが出て口が開けにくくなったり、顎を動かすと関節が鳴ったりする病気です。症状が重くなると頭痛、首や肩の痛みなど顎以外にも症状が出ることがあります。歯ぎしりは、長時間にわたって顎の筋肉や関節に強い力をかけてしまうので、痛みや関節障害を引き起こす原因になっています。

歯を摩耗し、欠けたり折れたりする
歯ぎしりや噛みしめを続けていると、歯の表面が削られ平らになってしまいます。また、強い力によって歯が欠けてしまったり、根っこの部分から折れてしまうこともあります。

歯並びや噛み合わせに影響がでる
歯ぎしりが続くと、歯の根っこに大きな負担がかかります。その結果、歯の根っこの向きが変わったり、溶けてしまうことがあります。その結果、歯の向きが変わってしまい歯並び全体に影響が出ることがあります。また歯が削られたり、押し込まれて短くなってしまうために噛み合わせにも影響がでることがあります。

歯周病も悪化してしまう
歯ぎしりは歯周病を悪化させることが分かっています。歯周病になってしまうと、歯と歯茎の間に細菌が繁殖する隙間ができてしまい、進行すると歯を支える土台が溶けてグラグラしてきます。歯ぎしりをすることで、強い力で歯が揺らされるために、さらに隙間が拡大して細菌が増殖してしまうのです。

お子様の歯ぎしりについて

子供も歯が生えてくると歯ぎしりをすることがあります。
生後8ヶ月から10ヶ月の乳歯が生える時期に発生し、幼児の10~20%くらいの割合で発生すると言われています。

幼児の歯ぎしりは歯の噛み合わせを調整するためのものなので心配することはありません。個人差はありますが、2歳半くらいまでの間に自然に収まるものですので、落ち着いて様子をみてください。

歯ぎしりの治療について

もし、あなたが歯ぎしりのことが気になっているのであれば、歯医者さんに相談してみましょう。
歯ぎしりの治療法としては、寝るときにマウスピースを装着する方法が一般的です。マウスピースを装着することで上下の歯や顎にかかる力を減らし、歯ぎしりの音も防止することができます。マウスピースは、種類によっては健康保険が適用出来るケースもありますので、歯医者さんで診断を受けてご自身専用のものを作製してもらうことをおすすめします。


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