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唾液が多い、増えた気がする…唾液の分泌が増える理由と病気

お皿に並んだ梅干し3つ

「なんだか最近、唾液(ツバ)がよく出て気になる」という事はありませんか?唾液には様々な効果があり、健康なお口には欠かせないものですが、通常の生活に差し支えることはありません。
どうして唾液の量が増えたのでしょうか?考えられる理由と病気についてお話していきます。

そもそも唾液の量はどのように決まっているの?

唾液は、口の周りにある耳下腺(じかせん)・舌下線(ぜっかせん)・顎下線(がくかせん)という三つの唾液腺で作られ、99%以上は水分で成り立っています。
唾液は、食事をしたり会話をしたりする時だけでなく、何もしていない時も「唾液腺」からお口の中に分泌されますが、その量は実に一日1~1.5リットル。

「そんなに出ているの?」と、驚かれる方もいらっしゃるでしょう。
しかし1.5リットルという量は平均値であって、唾液の量は年齢などでかなり個人差がでてきます。一般的には若い人ほど量が多く、年を取るほど減少しますが、ストレス・糖尿病のような病気の影響で減ることもあるのです。

また、唾液には大事な役割があることをご存知でしょうか?
最大の目的はお口の中を清潔に保つことです。唾液が流れ続けることで、口の中の細菌や食べカスを流すことができるのです。
他にも「食べ物をのどに詰まらせない」「発声を助ける」「消化を助ける」「虫歯や歯周病を予防する」「初期の虫歯を修復する」などの効果もあり、私たちの健康には欠かせない存在だと言えます。

しかし、「唾液が多すぎて困っている」という場合は次のことが考えられます。

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口腔虚弱(オーラルフレイル)かもしれません

口腔虚弱(オーラルフレイル)は「Oral」と「Frailty」を合わせた造語であり、口腔機能の軽微な低下や食の偏りなどを含んだ、身体の衰え(フレイル)の一つです。

唾液が増える理由が「病的なもの」の場合、唾液が無意識に口の外に流れ出てしまうという状態です。これには、2つの理由が考えられます。

①    唾液分泌過多
唾液そのものの量が増えた状態で、妊娠時の悪阻(つわり)や胃の膨満などが刺激になって起こります。

②     嚥下(えんげ )障害
飲み込む機能が鈍ることでおきます。健康な状態では、お口の中の唾液が一定量以上になると、自然に飲み込むという仕組みがあります。しかし、この働きに障害が起きると上手く唾液を飲み込めないため、唾液の分泌量が増えたように感じます。

唾液が増えたように感じると、必然的に唾液を飲み込む回数が多くなります。唾液が多くて気持ちが悪くなってしまうと更に唾液の量は増えるため、場合によっては吐き出すことも必要です。
気持ちが悪い時は、姿勢を良くしてあごを引き、鼻でゆっくり呼吸をすると、楽に唾液を飲み込むことができるので試してみて下さい。

どうしても気になる場合は

「日常生活に支障をきたしてしまう」「病気かもしれないので心配」という方は、内科、耳鼻咽喉科を受診するのも1つの方法です。嚥下障害などは色々な原因があり、疑われる病気に応じて問診、検査などを実施する可能性があります。
年齢や持病歴によって考えられる病気は様々のため、どうしても気になる時は、お近くの病院で相談してみましょう。


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