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大きい前歯が気になる!治療方法とそのリスクについて 

餌を頬張るリス

「自分の前歯が目立って気になる・・・」と思ったことはありませんか?見た目が気になると、人前で口を開けて笑うことや話すことにも憂鬱になってしまう方もいるでしょう。今回は、治療で前歯の大きさを目立たなくする方法と、それに伴うデメリットについてご紹介していきます。

【目次】
1、大きい前歯と出っ歯。その違いは何?
2、大きい前歯を目立たなくするには・・・健康な歯を「削る」こと
3、矯正治療で対応できるケースとは?
4、まとめ

大きい前歯と出っ歯。その違いは何?

歯が大きいと感じる方のほとんどは、上の前歯に対してです。見た目が気になる前歯の状態には、「歯自体が大きい場合」と「骨格的に前歯が前に出て大きく見える場合」があります。

●大きい前歯
歯の大きさの64%は親の遺伝と言われています。しかし軟らかい食べ物を食べることが増えると、噛む力や噛む回数が減り、顎の発育に影響が出てきます。顎が小さいと、歯は正常の大きさでも、大きくみえてしまう原因になります。
また食べ物の欧米化により栄養価が高くなったことも、大きい永久歯が生えるようになった一因です。

●出っ歯
「出っ歯」は上顎前突(じょうがくぜんとつ)と呼ばれており、歯が前方に突き出ている場合と、骨格的に下あごよりも上あごの方が前方に突き出ている場合があります。

【上顎前突の特徴】

  • 上の前歯が極端に前に突き出ている
  • 口を閉じると上唇が上った状態になり閉じにくい
  • 口を閉じると口元が不自然に歪んでしまう

出っ歯は遺伝しますが、「無意識の習慣」が歯並びを悪くする原因になります。例えば、おしゃぶり、指しゃぶり、口呼吸、唇や舌の癖、横向き・うつぶせ寝など、継続的に力が掛かることで、前歯が前方に傾いてしまうのです。

大きい前歯を目立たなくするには・・・健康な歯を「削る」こと

大きい前歯を削り、隣の歯の大きさに近づけることはできます。その方法は、2つ。

1)前歯を削って大きさを整え、空いたスペースに歯を動かして治療する
歯の表面はエナメル質で覆われているため、削ることが出来る範囲で大きさを整えます。その後、前に出た歯を動かす矯正治療を行います。

2)前歯を削ってかぶせ物をする
歯茎よりも上の部分の歯を削るため、削る量は増えますが、歯の大きさを小さくすることができます。

●知っておきたい、歯を削るリスク
歯を削れば、大きい前歯にもう悩まされない!と思いますよね。ただし、治療することで生じるデメリットもあるため、安易に治療を始めるのは危険です。
歯は一度削ったら、二度と元には戻りません。一度治療をすると虫歯や再治療のリスクを伴います。また、被せものをする際に神経をとる場合もあります。神経を取ると歯はもろくなるので、歯を失うリスクも高まるので気を付けましょう。

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矯正治療で対応できるケースとは?

矯正治療にもいくつか種類があります。(ブラケットやマウスピースによる全体矯正・部分矯正、インプラント矯正など)
それぞれの治療法で対応できるお口の状態であれば、基本的には可能です。ただ、矯正治療は歯を動かして改善していく方法です。歯周病が進行し、歯を支える顎の骨(歯槽骨)が少ない状態では、動かした後の歯を支えることが出来ずに元に戻ってしまうため、難しいと言えるでしょう。

お口の状態によっては、対応できる場合・できない場合があるため、まずは歯科医院で相談・診断をしてもらいましょう。

●前歯の矯正治療のリスク
歯を大きく削らずにすむ矯正治療ですが、治療をすすめていく中での注意点もいくつかあります。

  • 健康な歯を削ると、削った部分がしみて知覚過敏の症状がでる
  • 矯正で歯を動かすことで、歯根吸収・歯髄壊死・歯肉退縮などが起きる
  • きちんと装置と歯をケアできていないと、虫歯や歯周病のリスクが高まる

【お口全体の歯を移動させて歯並びを変える「全体矯正」の場合】
全体矯正は奥歯の噛み合わせもかわるため、被せもののやり替えや治療が必要になることも。

【部分的な少数の歯のみを移動させる「部分矯正」の場合】
前歯の一部分のみを動かすため、噛み合わせは大きくは変わりません。しかし、もともと奥歯の歯並びも悪いと磨き残しが溜まりやすい状態のままになってしまいます。

「大きい前歯を改善したい!」と思ったら、まずはメリット・デメリットを歯科医師に確認してから、自分に合った治療を受けるようにしましょう。

まとめ

歯を安易に削ってしまうと、それに伴う負担もでてきます。また被せものや矯正も、お口の状態によって期間も金額も異なります。
前歯は特に見た目に与える影響が大きい所。審美的に改善することを優先する方も多いですが、しっかり噛めること・健康な歯を維持できることも踏まえて検討してみて下さいね。


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