舌が痛いのは、なぜ? 見た目では分からない【舌痛症】との見分け方
「舌が痛い、ピリピリする」「口が渇く」「灼熱感がある」「味覚が変わった」など、気になる症状が続くと心配になりますよね。舌の見た目に変化があれば原因も見つけやすいですが、症状しかでないという場合もあることはご存知でしょうか。ここでは、「舌痛症」と呼ばれる症状も含め、舌の痛みについて、お伝えしていきます。
舌の痛みの原因となるお口のトラブル
●口の中の汚れがたまっていませんか?
食後に歯磨きをしなかったり、歯磨きが不十分だったりすると、お口の中に細菌が繁殖していきます。舌の表面部分に食べカスなどの汚れが溜まり、そこに細菌が繁殖すると舌が炎症を起こし、ピリピリと痛むことがあります。
●口内炎はありませんか?
一般的な口内炎は「アフタ性口内炎」で、口の中の傷ついた部分に細菌やウィルスが感染して起こります。疲労や睡眠不足、生活習慣の乱れ、栄養不足などが影響していることが多く、改善が必要です。
●口の中が傷ついていませんか?
お口に合わない入れ歯をしている、歯が欠けて尖っている部分がある場合は、食事やしゃべる度に、歯や入れ歯が舌に当たって傷ついてしまうことがあります。他にも舌を噛んでしまったり、舌をやけどしたりすることでも痛みを生じることがあります。
口内炎ややけどなどで出来た傷は1~2週間程で治りますが、痛みなどの症状が続く場合は一度歯科医院や口腔外科などを受診してみましょう。
舌の痛みや違和感…あなたにもこんな症状はありませんか?
舌に痛みが出る原因は大きく分けて3つあります。
A)お口の中に傷や病気ができることで痛い
・入れ歯等によるびらん・潰瘍、アフタ性口内炎、口腔カンジダ症、口腔乾燥症(ドライマウス)、平滑舌・舌乳頭の萎縮、難治性のびらん・潰瘍、扁平苔癬、舌ガン
B)神経が傷つくことで痛みがでる
・三叉神経痛、舌咽神経痛(ぜついんしんけいつう)
C)心因性によるもの
・舌痛症、口腔内灼熱感症候群
このうち、舌痛症の診断のためには、他の病気の可能性を除外する必要があります。また、痛みが少なくとも一日のうちで2時間は自覚し、3カ月以上その痛みが毎日継続して起こっている必要があります。
●舌痛症セルフチェックリスト
- 舌・唇・上顎などに、ヒリヒリ、ピリピリとした痛みが続いている。(3~6カ月)
- 舌に痛みが出る病気にかかっていない。(カンジダ症、口腔乾燥症、口腔がんなどの口腔粘膜疾患、貧血など内科疾患、歯や被せ物の不具合などがない)
- 症状は、朝より夕方や夜の方が悪い。日によって違い、場所も移動することがある。
- 食事は出来ていて、寝ている間や何かに熱中すると痛みは気にならない。
- 口が乾燥している感じがある。苦い・辛いなどの味覚障害がある。口の中がザラザラ、ベトベト するような異常感覚がある。
- アメやガムを口にすると和らぐ。ビタミン剤、痛み止め、軟こう、うがい薬が効かない。
見た目ではわからない「舌痛症」の原因とは?
舌痛症は0.7~3%の人に発症し、特に更年期の閉経後の女性が多く、全体1~2割を占めると言われています。舌痛症の約6割の方は痛み以外にも、「味覚の異常」「お口の乾燥感」などを感じます。しかし原因は未だ特定できていなく、メンタルの影響・ホルモンの異常・神経痛の一種・炎症の一種など様々な要因が考えられています。
まとめ
舌に痛みが出る原因は様々です。口内炎ややけどのように、見た目で判断できるものもあれば、舌痛症のように病院で検査が必要となる場合もあります。2週間以上痛みが続く場合は歯科医院や口腔外科を受診してみましょう。