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歯の詰め物・かぶせ物が取れた!適切な応急処置の仕方

歯のイラスト

治療したはずの詰め物やかぶせ物が、ある日突然取れてしまった!そんな時、慌てずに対処するにはどうすれば良いのでしょうか?すぐに歯科医院を受診できない場合の対処方法を知っておくと、いざという時でも安心です。
今回は詰め物・かぶせ物が取れた時、「受診するまでにするべきこと」をお伝えしていきます。

詰め物は捨てないで!そのまま装着できる可能性も

取れてしまった詰め物やかぶせ物は、チャック付きの袋などに入れて保管しましょう。ティッシュなどの紙に包むと誤って捨ててしまう方も多いため、気を付けてください。
虫歯や詰め物の変形など問題が無ければ、そのまま外れたものを付け直すことができる可能性もあります。取れてしまった詰め物などは紛失しないよう保存して、歯科医院へ受診する際に持っていきましょう!

詰め物、被せ物が取れてしまう原因とは?

そもそも治療してもらった詰め物やかぶせ物が、なぜ取れてしまうのでしょうか?これには、3つの原因が考えられます。

1)接着剤や金属の劣化
銀歯など「金属の詰め物やかぶせ物」を歯に装着する時に、専用の接着剤を使用します。しかし、年月とともに接着剤の劣化や金属自体の腐食によって外れてしまうことがあるのです。

2)虫歯
金属の腐食や接着剤の劣化によって、歯と詰め物などの間にわずかな隙間ができると、細菌が入り込み虫歯になる場合があります。詰め物・かぶせ物の下にできるため、発見が遅れてしまうことも。外れてしまって初めて虫歯に気づいた、というケースも少なくありません。

3)歯ぎしりや咬み合わせ
かぶせ物を歯に接着した時は問題がなくても、年月とともに咬み合う歯やかぶせ物自体が摩耗することがあります。過度の歯ぎしりや咬み合わせ、食いしばりによって、歯に余計な力がかかると、詰め物やかぶせ物が「割れる」「外れる」ということが起きるのです。

お口の状態は目で見るだけでは分かりません。歯科医院を受診し、レントゲンなどで原因を調べてもらいましょう。

詰め物の作り直しや治療が必要なケース

外れてしまった詰め物の下で虫歯ができていたり、詰め物自体が変形していたりする時は、新しく作り替えなければいけません。

<虫歯や歯周病が進行している場合>
詰め物の下で虫歯が進行していると、残った歯の部分と詰め物の形が合わなくなります。「歯が欠けている」「詰め物をしていた部分以外の所に虫歯ができている」
この場合も、新しい詰め物に作り替える必要があります。

また、かぶせ物の場合は歯周病で歯茎が腫れていると、外れたものを付けることができません。歯茎とかぶせ物の間に隙間ができてしまうと、汚れが溜まって虫歯や歯周病の悪化につながるためです。歯周病治療をして歯茎が引き締まった状態に改善させてから、適合しているかを確認します。

<接着剤・金属が劣化している場合>
歯の詰め物に使われる金属や接着材の経年劣化、これを避けることは難しいです。特に樹脂(レジン)や銀などの保険の素材は劣化しやすく、年月とともに歯と詰め物の間に隙間ができ外れやすくなります。
「何度も歯を削るリスクを避けたい」という方は、材質の劣化が少なく適合性の高い素材(セラミックなど)にやり替えるのも1つの選択です。

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詰め物が取れた歯 = 感染リスクが高い状態です

詰め物が外れると、「象牙質」と呼ばれる歯の内側の層がむき出しになってしまいます。
象牙質はやわらかく虫歯の進行も早いので、詰め物が取れたまま放置するのは非常に危険です。象牙質の下には歯の神経があり、虫歯が神経に到達してしまうと「歯の神経を残せない」可能性も。
治療回数や歯を削る量も増えるため、虫歯が広がらないうちに早めの受診をおすすめします。

歯医者さんへ行くまでの間、気をつけたいこと

詰め物が取れてしまった後、やってはいけないNG行動とは?

<詰め物が取れた歯で強く噛まない>
詰め物が取れた歯は、もろい状態のため歯が欠ける可能性があります。歯の根っこまで割れてしまった場合は、最悪の場合、歯が残せなくなるということも。食事をする時は、詰め物が取れている歯はなるべく使わないように気を付けましょう。

<詰め物を変形させない>
取れた詰め物は、ほんの少し変形するだけでも付け直すことができなくなります。優しくきれいに洗った後は、なるべく力を加えないようにして保管して下さい。

<しみる食べ物・飲み物を飲まない>                
象牙質がむき出しになっているため、神経が刺激を受けやすい状態です。熱い物や冷たい物などは極力控えるようにしましょう。

<取れた詰め物を接着剤などではつけない>
取れてしまった詰め物を、自分で無理に接着してはいけません。
汚れが付着していた場合、虫歯の原因にもなります。また、咬み合わせが合わなくなるとお口全体に負担がかかってしまい、頭痛や肩こりを引き起こす場合も。                
詰め物が取れた歯はなるべく使わないようにし、虫歯や歯周病にならないよう丁寧に歯を磨くようにして下さいね。

歯を守るためにも放置はNG。早めの受診を!

仕事などで忙しく、すぐに歯医者に行けない場合もあるかもしれません。しかし、詰め物が取れたまま放置すると、歯がしみたり、虫歯で痛んだりするリスクが高くなります。
歯を多く削らず、治療回数や費用も最小限で済ませることができるのなら、先延ばしにすることはデメリットでしかありません。

詰め物が取れた時は慌てずに詰め物を清潔に保管して、できるだけ1週間~3週間以内には歯科医院へ行くようにしましょう!


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