歯を失った場合の治療方法
むし歯や歯周病で歯が抜けた、あるいは、スポーツなどでも、歯を失ってしまう可能性は充分にあります。
なぜ失った歯をそのままにしてはいけないのか？そして、治療方法にはどんなものがあるかをご紹介します。
失った歯の治療方法の3つの選択肢があります
- ブリッジ
- 入れ歯
- インプラント
これらを組み合わせたハイブリッドの治療方法などもありますが、大きく分類してこの３つがメインとなります。
それぞれの治療方法の、メリット・デメリットを詳しくご説明します。
歯を抜けたままにしておくとどうなるか？
欠損した歯が親知らずだった、失った歯が奥歯で反対側の歯もなかったなど、噛み合わせのバランスがとれている状態であれば治療をする必要がないこともあります。
1本歯がないくらいでは、食べるときにそれほど不自由はしないですよね。しかし、歯は1本ないだけで、バランスを崩し、見た目やかみ合わせはもちろん、身体にも影響が出てしまう可能性があります。
| かみ合わせが悪くなる | 抜けた歯に隣合う歯が移動したり、傾いたりすることでかみ合わせや歯並びが悪くなります。 |
|---|---|
| 歯が伸びる | 抜けた歯とかみ合っていた歯（上下で対になっていた歯）に変化が現れます。 噛み合わせていた歯がなくなることで、今まであった歯に合わせようとして伸びだしてしまう可能性があります。 |
|
滑舌が悪くなる |
歯のすき間から空気が漏れることで、会話がしづらい・滑舌が悪いと感じるようになります。 |
| 見た目が悪くなる | 失った歯の両隣や、噛み合わせていた歯が動き出すことで歯並びのバランスが乱れ始めます。
顔の筋力の低下：噛む力が衰え、しわやたるみ、ほほが下がるなどの影響が考えられます。 |
| 他の歯を失うリスク | 歯を失うことで、他の歯にかかる負担が増えます。
歯並びが乱れた上に負荷がかかることで健康な歯の寿命に影響を及ぼします。 |
| 内臓・消化器系への負担 | 食べ物をかむ力が弱くなり、良くかみ砕かずに食事をすることで消化器官に負担がかかります。 栄養も効果的に吸収することができません。 |
| 認知症との関係 | 噛む力が衰えることで脳への刺激が低下し、認知症の原因となると考えられています。 |
歯を失ってしまったとき、すぐに影響が起こるわけではありません。しかし、放置しておくことによって、かみ合わせが崩れ、将来的に多くの歯を失ってしまう可能性があります。
将来の健康にも大きく影響することが考えられますので、まずは適切な治療を受けて、失った歯を補うことが大切です。
ブリッジ、入れ歯、インプラントの違いとは？
歯を失った場合の治療方法は、冒頭でお伝えした通り「ブリッジ」「入れ歯」「インプラント」の３つです。それぞれに特徴があり、失った歯の本数やお口の状況によって最適な治療方法を選ぶことが大切です。
ブリッジ
欠損している歯の本数が少なく、両隣に健康な歯がある場合は、ブリッジという方法があります。お口の中の状態によってはブリッジができないこともあります。
まずは診察させていただいて、患者様のご要望に合った最適な治療法をご提案して、治療を進めていきます。
メリット
- 入れ歯と比較した場合、ブジッジは連結されたかぶせ物を固定してしまうため、安定感があり、違和感が少ないです
- ブジッジを入れる箇所によって保険が適用される場合があるため、比較的安価での治療が可能です
- インプラントと比べた場合、施術が早く完了します
デメリット
- ブリッジは連結したかぶせ物を固定するために、健康な両隣の歯を削る必要があります。支える歯に問題がある場合は、先に支える歯の治療を行う必要があります。
- 失った歯を補うために両隣の歯でかぶせ物を固定しているため、食べ物を噛む際に、両隣の歯に負担がかかります。よって、本来は健康だった両隣の歯の寿命が時間とともに縮まってしまいます。
- 歯と歯の間のすき間から空気がもれ、発音に影響が出ることがあります。ブリッジと歯ぐきの間の隙間に食べカスなどがつまるため、お口の中が不衛生になりやすく、むし歯や歯周病が進行してしまう場合があります。
入れ歯（部分入れ歯・総入れ歯）
入れ歯には、「痛い」「外れる」「目立つ」などといったマイナスイメージがつきものですが、今日入れ歯も研究が進み、審美性・機能性ともに優れたものが現れています。「入れ歯だからこんなもの」とあきらめることはありません。
今お使いの入れ歯にご不満がある方はもちろん、はじめて入れ歯をつくられる方も、一度じっくり診察させていただきご要望をうかがうことで、一人ひとりの患者様に適した入れ歯をご提案させていただきます。まずは一度、お気軽にご相談ください。
入念なチェック・調整を行ったうえで、患者様おひとりおひとりにぴったり合う入れ歯をお作りしています。
「なるべく早く新しい入れ歯にしたい」という方は、歯が無い期間を短くする方法があります。抜歯をする前に型取りをすることで、歯を抜いた当日から入れ歯が入ります。
ぜひ一度ご相談ください（要予約）。
メリット
- ブリッジでは対応できない、３本以上歯を失ってしまった箇所でも『入れ歯』であれば治療が可能です。
- 入れ歯のバリエーションは多く、患者さまの症状に合わせて製作が可能です。
- 保険が適応される『入れ歯』もあるため、比較的安価での治療が可能です。
※部分入れ歯の留意点
- 歯がない両隣の歯で入れ歯を固定するため、固定する留め金に汚れが溜まりやすくむし歯や歯周病になりやすくなる場合があります。
- 歯がない両隣の歯で入れ歯を固定するため、本来は健康だった両隣の歯の寿命が時間とともに縮まってしまいます。
- 入れ歯を固定している歯に違和感を感じる場合があります。
- 固定している留め金が金属性のため、見た目を損ねる場合があります。
※総入れ歯の留意点
- 入れ歯をお口の中の粘膜で固定するため、慣れるまでに違和感を感じます。
- 入れ歯をお口の中の粘膜で固定するため、まれに入れ歯が外れ、食事や会話に支障がでる場合があります。
- 入れ歯をお口の中の粘膜で固定するため、食べ物の熱が伝わりにくく、食べ物の本来の味を感じ取れない場合があります。
- 歯ぐきで固定するため、固い物が食べづらくなる場合があります。
※入れ歯全般の留意点
- 定期的に外してお手入れが必要です
- 本来天然の歯を支えていた顎の骨が、歯を失ったことより後退してしまい、入れ歯が不安定になってくる場合があります
- 天然の歯とほぼ同じように食べ物を噛むことが出来ないため、徐々に顔の筋肉が衰え、顔の老化を進めてしまう場合があります。
インプラント
インプラントとは、失った歯を自然の歯に近い状態に復元する治療のことです。あごの骨にチタン製の人工歯根を埋め込んで、その上に人工の歯を固定します。入れ歯と違って、取り外してお手入れする必要がなく、通常の歯と同じように歯ブラシで磨くことができます。
チタンは顎の骨としっかり結合するため、天然歯と変わらない感覚で咬めます。また、セラミックの人工歯によってとても自然な見た目を再現します。機能性、審美性ともに大変優れているインプラント治療なら、毎日の食事や会話も存分に楽しめるようになります。
メリット
- 天然の歯に一番近い構造をもっているため、天然の歯とほぼ同じ、自然な見た目になります歯が抜けてしまった部分にのみ施術を行うので、周りの健康な歯を傷つけることがありません。
- 食べ物を食べる際に、健康な歯と同じ状態で、食べ物の味覚や温度がお楽しみいただけます。
- 天然の歯とほぼ同じように食べ物を噛むことが出来るため、食べ物を噛んだ際に違和感がありません。
- 天然の歯とほぼ同じように食べ物を噛むことが出来るため、顔の筋肉が衰えることがありません。そのため、顔の老化（しわなど）を防ぐことが出来ます。
- インプラント手術を行った後、定期的にメンテナンスを行うことで、半永久的にインプラントをお使いいただけます
- ほぼ天然の歯に近い構造であるため、他の歯とのかみ合わせが安定します
- 歯が１本なくなるだけで、発音が従来通りに行いにくくなる場合がありますが、インプラントを入れるとそのような問題が緩和されます。
デメリット
- 入院は必要としませんが、手術を行う必要があります。
- 骨が少ない場合は、骨組織を再生する治療（ＧＢＲ）を行う必要があり、治療期間が長くなる場合があります。
- CT検査などの精密な診査の結果、インプラント治療が行えない場合があります。
- 一般的な入れ歯、ブリッジなどの治療と比べ、治療費が高くなるケースがあります。
あなたに最適な治療方法を
歯を失った場合、そのまま放置しないことが何より大切です。森歯科では、失った歯を補うさまざまな治療方法をご用意しておりますので、ご自身が一番良いと感じる治療方法をお選びください。
カウンセリングやご相談は、ご納得のいくまで何度でも受けていただけますので、まずはご相談にお越しください。