小児歯科は、お子さまの虫歯を治療するだけでは不十分です
お子さまが6歳になるころに生えてくる「6歳臼歯(第一大臼歯)」という歯があります。6歳臼歯は最も大きくて、噛む力が強い歯です。噛み合わせの基準になったり、他の永久歯が生えるためのガイドにもなる重要な歯で、「歯の王様」とも言われています。
しがしながら、6歳臼歯が生えてから5年の子どものうち、虫歯になってしまった子・治療した子を合わせると全体の80~90%にもなっています。
どうしたら、お子さまの大切な歯を守ることができるのでしょうか?
生えたばかりの歯は歯質がまだ未熟で、また咬む面の溝が深いため歯ブラシが届きにくく汚れがたまりやすいので虫歯になってしまう場合が多いです。
予防策としてはまずは毎日しっかりと歯みがきすることが大切です。そして歯科での定期検診やシーラント・フッ素塗布なども行うことができます。シーラントとはフッ素の入った樹脂で溝をうめて虫歯菌が入れないようにする方法です。
目標1:虫歯にならないために
子どもの歯は虫歯を予防して健康な歯をつくることがとても重要で、乳歯は丈夫な永久歯をつくるための大切な役割をもっています。 子どもの頃から正しいホームケアや習慣を学んで健康な歯をつくりましょう。
また、歯並びが悪いと歯がきちんと磨けず虫歯になりやすい、姿勢が悪くなる、発音がうまくできないなどの悪影響が出てきます。早い時期から矯正を行うことで無理なく治療を進めていくことができます。森歯科の小児歯科では定期検診時にシーラントやフッ素塗布を行っております。
目標2:もう二度と、むし歯にならないように
せっかく治療ができても、また別の歯がむし歯になったのではいけません。
最も大事なことは一度治療が終わったら、二度と悪くならないことなんです。
歯は削ったりせず、何もさわらないのが最高の理想です。12才で永久歯が生えそろった時に1本もむし歯がない、そして歯並びもキレイということを当院では目標にしています。
変化が速いお子様のお口は定期検診で管理することができます
子供さんに小さい頃から予防の習慣を身につけさせてあげる事が大切です。乳歯から永久歯にかわるまでにお口の中に関心を持ち、キレイにすることで、大人になってからも健康な歯を維持していけるようになります。
また本来、歯はまったく削らない、さわらないのが一番理想的です。生まれ持った歯は、上手に付きあうことができれば一生もつだけの力を持っています。その為にも定期検診は大事です。
さらに、子供さんにとってもう一つ大事な歯並びのチェックができることも大きな利点です。
- 虫歯のチェック
- 歯並び・噛み合わせのチェック
- 悪癖(指しゃぶりなど)のチェック
- 歯のクリーニング
- シーラント(必要に応じて)
- フッ素塗布
- 歯磨き指導
これらのことを、子供さん、お母さん、歯科医師、歯科衛生士のみんなで行い、健康な歯、きれいな歯並び、素晴らしい笑顔を手に入れませんか?
お子さまの矯正治療について
お子様の矯正治療を始める場合、小学校低学年くらいから始めることができるとあごの成長を利用して治していくことができます。あごの骨が柔らかい時期に「拡大床」という取り外し式の器具をお口の中に装着し、少しずつ骨を拡げることができるのは、学童期に矯正治療を始めることの最大のメリットといえるのではないでしょうか。
成人から矯正を始める場合、症例によっては抜歯が必要であったり、歯や歯ぐき・筋肉などに無理がありましたが、小学校に入るくらいの早い時期から治療を行うことにより無理なく歯を矯正できます。
定期検診の時に、常に歯並びもチェックし、もし治療が必要という判断になれば最も適切で良い時期に治療を開始することができます。
年齢別に気を付けたいお口のトラブルとは?
生まれたばかりの赤ちゃんには、虫歯菌がほとんどありません。
虫歯菌を持った大人が噛んだ食べ物や、口移しでご飯をあげることが原因で虫歯菌がお子さんの口に移ります。感染する5歳くらいまでに虫歯菌に感染しなければ、その後虫歯になりにくいと言われています。だからこそ、幼児期に虫歯菌を増やさないようにすることも大切です。お子様のお口の中は、このように、年齢・成長段階によって気を付けたいポイントがあります。
年齢別お口のケア方法のポイント
0―1歳
まず下の歯が生後6~10ヶ月ほどで生えてきます。
歯磨き
歯が生えてきたら、最初は歯ブラシではなく指にガーゼを巻いてふいてあげましょう。
ケア・予防と生活
この頃は赤ちゃんの免疫力が高いので、甘いものばかりを与えたりしなければ、ぴかぴかに仕上げなくてもむし歯にはなりません。口の中を触れることに慣れてもらいましょう。
1―3歳
1歳半検診の頃には乳歯の奥歯が生え、歯の数は8~12本に。2歳半頃には全ての乳歯が生え揃います。そろそろ定期検診やフッ素塗布をするとむし歯予防に効果的です。
歯磨き
ブラッシングは、まだ徐々に覚えてもらう程度で構いません。
ケア・予防と生活
この時期は食生活に注意しましょう。3歳まではなるべく砂糖の入ったお菓子は控えましょう。特にスポーツドリンクなどの清涼飲料水には糖分が含まれているので、要注意です。
またむし歯菌は母子感染する可能性もあると言われていますので、お父さんやお母さんが使ったスプーンをそのままお子さまが口へ入れることは、なるべく控えてください。
3-6歳
自我が発達し、いろんなことができるようになります。
歯磨き
歯ブラシもだんだんとできるようになってくる時期なので、しっかりと歯磨きの習慣を身につけてもらい、自分の歯に関心を持ってもらいましょう。完璧に磨くのはまだ難しいですから、大人の手で仕上げ磨きを必ずしてあげてください。特に奥歯2本の間は、むし歯になりやすいので、フロスを使うと効果的です。
ケア・予防と生活
指しゃぶりや下顎を前に出すなどの悪習癖があると、将来の歯並びや骨格などにも影響する可能性があるので、気になる癖や症状があれば、一度お早めにご相談ください。
6―12歳
いよいよ乳歯が抜けて永久歯が生えてきます。下の前歯から抜けかわっていくのですが、特に注意が必要なのが一番奥から生えてくる6歳永久歯。最初は生えてきたことに気づかないかもしれません。
歯磨き
6歳永久歯の生えたての頃は、歯の真ん中のくぼみが白く、むし歯になりやすいです。いちばん奥で磨きにくいですが、しっかりケアすべき箇所ですね。ブラッシングの指導を受けられることをお勧めします。
ケア・予防と生活
6歳永久歯あたりのケアは、フッ素予防が非常に効果的。また歯医者さんでシーラントという予防措置が有効です。ブラッシングの指導を受けるのも兼ねて、ぜひこの時期に歯医者さんを訪れてください。
また、この時期は歯並びが気になり始める時期でもあります。小児矯正のスタート時期は、一般的に7~8歳頃が最も適しています。
12―15歳
永久歯が全て揃う時期です。6歳永久歯の後方、前から7番目に12歳永久歯が生えてきます。
歯磨き
この時期ではお子さまも1人で歯磨きできるようになっていますから、親御さんによる仕上げ磨きのときにむし歯をみつけてもらうのが難しくなります。
ケア・予防と生活
中学生になるとテストや習い事で忙しい、クラブなどで清涼飲料水を頻回に摂るなど、お口のケアが甘くなり、むし歯にしてしまうことも起こりがちです。
大切な永久歯。むし歯ゼロを目指して3~6ヶ月毎に定期的なチェックとフッ素塗布をきっちり行いましょう。
お子様が「一人でも安心して通える歯医者さん」を目指して
森歯科では、「歯医者さんは怖い」「歯の治療は痛い」とお子様が思わないような治療を心掛け、お子さんの健やかな成長を歯科医の立場から応援していくことが大切な使命と考えています。
当院では小さなころから歯医者に親しんでいただき、特に第一大臼歯が生え始める6歳ころには本格的に定期検診でお口を管理していくことを目標としています。
繰り返しになりますが、一番大事な歯(第一大臼歯)が、一番虫歯になりやすいのです。その理由としては、第一大臼歯が萌出してからすっかり生え終わるまでには、上あごの歯で11か月、下の歯で17か月もかかり、弱く、しかも汚れやすい時期が長く続くからです。
また、かみ合わせの面には、深い溝があり、人によっては、溝の底がとても弱いことがあって、その形もむし歯菌が増えやすい汚れのたまりやすい形をしているからです。しかも乳歯の奥に生えてくるので、お母さんも子ども自身も生え初めに気づきません。歯ブラシも十分には届かないまま、何か月かをすごすことになるのです。この歯を虫歯にすることが、年をとってからの歯のない生活の第一歩になる傾向があります。
そこで森歯科の小児歯科(予防歯科)では、数か月~半年に1度は歯みがきのチェック、歯科衛生士による清掃、フッ化物の塗布をします。歯科医師は第一大臼歯の溝を診査して、必要に応じて簡単な処置をします。保護者の方には、歯科衛生士から子供の歯みがきの仕方や手伝い方を指導させていただきます。
このようにして、当院と保護者の方が協力して、大切な6歳臼歯の危険な時期を乗り越えられるよう管理していきます。大切な第一大臼歯ですから、当院では、ちょっと虫歯になったからといって、小学生のうちに大きな治療をすることを極力避けるようにしています。第一大臼歯の小さな虫歯をどのように処置するかは、当院の命題です。むし歯を削って詰めてしまえば一時的には治るでしょうが、お口の中のむし歯になる条件を変えなければ、むし歯は再発します。
お子様と歯の様子を見ながら治療をします
お子様の乳歯の場合、小さな初期の虫歯や永久歯への生え変わりが近い時は、あえて進行止めで様子を見る場合もあります。
明らかに穴があいて歯の中まで進行していたり、神経まで虫歯が進行している場合は、大人と同じ様に強い痛みが起こっていることが多くあります。(進行した虫歯を放置しておくと、永久歯の変色や生え変わる時期が遅れる原因や、永久歯の生えるスペースを減少させ、歯並びが悪くなる原因になります。)
痛みがひどい場合は、まずは痛くない治療で痛みを止めてから本格的な治療に入ります。お子様が治療を嫌がる場合は、決して早急な治療をすることはいたしませんのでご安心ください。
痛みがひどくなければ、はじめは簡単な歯磨きの指導などを通じて、お子様とコミュニケーションをとりながら治療を進めていきます。大人の歯に比べると、柔らかく虫歯も進行しやすい子供の歯は、早期治療はもちろんですが、虫歯にならないような食生活や歯磨きの仕方、歯磨きの習慣づけも大切になります。
森歯科の小児歯科・予防歯科の約束
約束1 コミュニケーションを大切にします
お子様が初めて来院される時は、いきなり治療を始めることはしません。
まずじっくりお子様と会話をして、歯医者さんに慣れてもらうことが当院の基本方針です。幼いころに受けた治療が、その子にとっての「歯医者」のイメージとして残ります。「歯医者は怖くない」もっと言えば、「予防のために通う」という感覚が身につくと、生涯、自分の歯を守っていっていただくことができるはずです。
コミュニケーションをとり、恐怖心や緊張を和らげることで、小中学生になって親御さんの手が離れた後も、1人で通えるような関係性を築けたらと思っています。
約束2 恐怖心を与えないためにマスクを外します
当院では、お子様と接する際にはマスクを外すようにしています。
マスクをしているとお子様は恐がってしまい、この状態ではもちろん治療はできません。無理に治療したとしてもそれがトラウマになり、大人になっても歯医者に行くことを無意識のうちに避けるようになってしまいます。このようなことが起こらないように、当院ではマスクを外し笑顔でお子様と接しています。恐怖心を与えないためにマスクを外します。
約束3 治療を始めるのは治療器具に慣れてもらってから!
マスクに次いで、お子様が歯医者さんを恐がるもう一つの原因として、「どんな器具で何をされるのか分からない」ということです。
お子様に安心して治療を受けてもらえるように、治療で使われる器具を分かり易く説明し、手に触れてもらいながら「恐いところじゃない」ということを知っていただきます。治療器具に慣れてもらったのを確認してから、当院では治療を始めるようにしています。